人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Metropolitan Opera HD Siegfried

かなり久々の劇場ネタです(笑)。 地元ではあれこれ観てはいたのですが、どうも書く機会を逃してばかりで。 ニューヨーク在の頃は当たり前のように通ったメトロポリタン歌劇場、こんなユタへ越してもHDでライブが観られるという良い時代になりました。 劇場と音は違いますが、観れるだけでも!!

さて、2011−2012シーズンは"Anna Bolena"で開幕でした。 主役はネトレブコ、たっぷりした声に加えて“ステージアニマル”の異名を取る彼女、大迫力のパフォーマンスです。 役柄にも良く合っていました。 これはバレエのヴィシュネヴァにも思う事ですが、彼女は溢れるような強い生命力を感じさせるため、儚気なお姫様より女王様が合うんですね。 東京にも行っていたアブドラザコフ、グヴァノーヴァのチームロシアが大活躍、少々圧され気味には見えましたがコッステロ君の麗しい声も聴けて豪華な歌手陣。 衣装、演出もウイーンのより私は良いと思いました。 マックヴィッカー氏の演出は私は余り好みでは無いんですが、チューダー物というのはスコットランド人の彼には胸にストンと来るのか、スタイリッシュで良いセンスです。
Metropolitan Opera HD Siegfried_e0177330_15392052.jpg

今年からは英国ロイヤルオペラのHDも始まっています。 ユタでは平日の朝10時始まりで、観客は10人(汗)。 この少なさでは行き先が心配ですが、それでもロンドンの上演がユタでライブで観れるって凄い(笑)。
Metropolitan Opera HD Siegfried_e0177330_15432288.jpg

演目はファウスト。 一応豪華キャスティングの触れ込みで実際そうなのですが、何か全体の調和のようなものが欠けていて、作品としてはビミョーでした。 低音歌手勢は歌唱も素晴らしく、かなり格好良かったけれど(笑)。
Metropolitan Opera HD Siegfried_e0177330_15465940.jpg

で、今日はワーグナー“ニーベルンゲンの指輪”第三話、”Siegfried”。 ルパージュ氏による新演出リングの三作目で今シーズン話題の作品ですが.....主役の歌手が企画当時のヘップナーが降板、リーマンに変更、そのリーマンが何と初日の2週間前に降板。 急遽、アンダースタディ(日本語だと控えかなあ?)のジェイ.ハンター.モリスが登板する事に!? METのゲルプ支配人というのは急な歌手のキャンセルがあると、初日など無理しても有名歌手を引っ張ってくるタイプの人ですが、今回は”控え歌手”の繰り上げで、写真の歌手がそのモリス!
Metropolitan Opera HD Siegfried_e0177330_16355558.jpg

この役柄にはやや軽めの声だと思うのですが、モリスはワーグナーのリズム感があって、ルイジの指揮と良く調和し、歌唱と演技、表情が繊細でごく自然。 姿も青い眼も美しく端正です。 ”控え歌手”の彗星のようなデビュー!という贔屓目もありますが、この人の頑張りが観客の♡に響いた!という印象でした。 終演後も高揚感というか充実感が残って、忘れ難い公演。 5時間半の長い長〜い演目ですが、興味のある方はぜひ!
 
by noreservation | 2011-11-06 16:12 | ballet & opera
<< ポトフ 鶏肉のヴィネガーソース >>