カテゴリ:ballet & opera( 52 )

ナショナルバレエオブカナダ、シーズン開幕♩

食欲の秋ばかりに邁進している間に、季節はもう冬、芸術の秋も楽しまなくては(汗)というところで、トロント在住の皆様、ナショナルバレエオブカナダの今シーズンが開幕しております♩

今年のシーズン開幕は『冬物語』、ロイヤルバレエが初演ですがカナダとはご縁があるのか『不思議の国のアリス』も振り付けたクリスウィールドン作品♩ 私は日曜日に観たのですが、キャストが凄い♩ スヴェトラーナ・ルンキナ、エヴァン・マッキー、ユルギータ・ドロニーナという贅沢なトリオ❤️
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シェイクスピアの原作を私は読んだことがないのですが、筋書きはオテロに近くて、それが2世代に渡る物語になっています。 1幕がオテロを凝縮したような愛憎劇で非常にテンションが高く、これだけで3幕観たような充実感がありました。 その分2幕は明るく、3幕は大団円へ。 
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主人公は1幕からいきなり猜疑心と嫉妬に取り憑かれてしまうのですが、これをシェイクスピア劇をみるような格調あるパフォーマンスでみせてくれたのがエヴァン・マッキー。 この人は『アリス』のジャックのような役でも役柄を消化しているというかきっちりと準備してくるダンサーですが、こういう難しいキャラクターなほど彼の知性が輝きます。 美脚に加えてテクニックも美しいという大変な才能の持ち主ですね。  

相手役に今シーズンからナショナルバレエに移籍したユルギータ・ドロニーナ! この人はまだ若いダンサーですが、とにかく可愛い♩ 踊りも美しく、『冬物語』のような演技面の多い演目でも堂々たる存在感をみせてくれて先々がとても楽しみです。 可憐で美しいバレエダンサーというとアリーナ・コジョカルが浮かびますが、あんな感じになるのではないでしょうか? 

そしてこのストーリーには女官のポーリーナという人物がキーパーソンになるのですが、これをスヴェトラーナ・ルンキナが演じています。 このバレエ、踊っているというか演じているという印象が強いんですね。 
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ボリショイ出身ですが、私はこの人は今、世界最高のバレエダンサーのひとりだと思います。 目を見張るようなテクニック、美しいポーズ、周囲のダンサーとのケミストリー、ナチュラルで情感溢れる演技と褒めればキリがないほど(笑)♩ 来年2月には東京でゲストとして白鳥を踊るそうですが、チャンスのある方はぜひ! ロシアンダンサーですから白鳥は必須でしょうが、私はこの人の椿姫なんかぜひ観てみたい♩ ルンキナさん、日本語もなかなか上手!!

さて、ナショナルですが今週はロミジュリ、ギョーム・コーテが怪我からの復活です! そして一ヶ月に渡る『くるみ割り人形』の季節(笑)♩
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毎年、『くるみ』はどうしようかなあ・・・などと迷うのですが、やはりスヴェトラーナ&エヴァン・ペアというのは観てみたいですし、日本人的には今季プリンシパルに昇進した江部さんも応援したいですし、気忙しいシーズンの幕開けです(笑)♩ 

ナショナルバレエオブカナダ、東京への出張公演って実現しないものでしょうか?  ロシアを始め世界の格式あるバレエ団の公演が目白押しの東京ですが、ナショナルカナダはルンキナ、マッキー、コーテがいますし、国際色溢れるダンサー達で、現実的であり、しかも優秀なカンパニーだと思うのですが。  日本のメディアの皆様もバレエコンクールばかりではなく、その先にも注目して欲しい気は致します。 江部さんなど、ナショナルカナダのような大きなカンパニーで頂点のプリンシパルを極めたのですし、ぜひ凱旋の機会があればと願うのですが。
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by noreservation | 2015-12-03 11:10 | ballet & opera | Comments(2)

National Ballet of Canada シンデレラ

トロントのナショナル.バレエ.オブ.カナダのシーズンも終盤、プログラムはミックスビルが終わり、シンデレラが始まりました! ナショナル.バレエのシンデレラはクデルカ版で、演出的には”華麗なるギャッツビー”というところでしょうか(笑)? ロールデビューで今、上昇気流のおふたり、ジリアン.バンストン&ナオヤ.エベ.ペアで観てきました(笑)!
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ジリアンはとにかく可愛い人で、アリスもですがシンデレラにぴったりなタイプ♪ テクニックもきっちり、音楽性もあって好感度抜群のダンサーです。 対する王子様のエベさん、くせのない素直な踊り、ラインの美しさ、高いジャンプ、王子様感も漂います。 このペアのシンデレラはとにかくフレッシュで爽やか(笑)!!

エベさんはロミオなど主役を着々とこなしている日本人ソリストですが、伸びしろを感じますし、先々が楽しみ! 大役に慣れて、ペアリングや表情、回転の軸に安定が出て来たら、プリンシパル昇格は遠くないのでは!? 

このシンデレラは2004年が初演とかで、アートデコのお衣装やヘッドドレスが華麗です。 この“ギャッツビー”的大人の雰囲気にはグレタ&ギョームのプリンシパルペアがはまりそうですね。こちらも観てみたい....! 
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by noreservation | 2014-06-06 07:47 | ballet & opera | Comments(2)

オネーギン ナショナルバレエ.オブ.カナダ

まだ里帰りレポートさえ半端ですのに、お料理に関係ないネタを挟んで申し訳ありません(汗).......帰国翌日でしたが、時差でぼんやりした頭に珈琲を流しつつ(笑)、フォーシーズンズセンターへ行ってきました♪ 

演目はクランコの”オネーギン”。 全幕モノのドラマティックバレエはやはり外せないものです(笑)♪ オペラではチャイコフスキーの傑作がありますが、バレエ版はクランコが60年代に振付たものとか。 タチアーナの手紙のシーン(オペラだとソプラノの聴かせどころ)では鏡の中からオネーギンが表れるなど、全体に助長にならず巧く出来た作品です。 注目はやはりシュトッツガルドバレエからのゲストダンサーで、ご当地トロント出身!というエヴァン.マッキー君♪
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かなりの長身で(190センチくらい?)端正な立ち姿は欲を言えばオネーギン役で観たいところですが今回はレンスキー役で出演。 レンスキーの方がソロでは見せ場が多いかも知れませんが。 こういうオネーギンに、ナショナルのギョーム.コーテ君のレンスキーだったら!、何て不必要なキャスティング妄想が膨らみますが(笑)、シュトッツガルドの王子様は素敵でした♪ このバレエはソロの見せ場の音楽にゆったりしたアダージオが使われていて、この人はそれが抜群に上手です。 音楽をたっぷりと使って、完璧にコントロールのきいた踊りは秀逸、神経がゆき届いている感じで優雅ですが動きにある種のキレもあります。 長身の彼が膝のピシッと伸びた美しいアラベスクで止まった瞬間は正に圧巻!  
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主役のオネーギンはマッギー.マードック君。 衣装など良く似合っていて、オネーギンらしい風貌が素敵です。 これはオペラでもそうですが、”オネーギン”という演目は主役のふたり、オネーギンとレンスキーのバランスが結構大事で、同じ様な年代、キャリアのアーティストがタッグを組んだ方が観る側は落ち着くんですね、その意味で、シュトッツガルドでクランコ作品を踊りこんでいるであろうマッキー君と、まだ年齢も若いソリストの彼だと少々オネーギンが弱く見えてしまう。 ナショナルバレエで活躍中の日本人ダンサーのナオヤ.エベ君のレンスキーとマードック君のキャスティングならば良いと思うけれど。

タチアーナはシャオ.ナン.ユウさんで、いつも安定した踊りが見事、オルガのエレーナ.ロブサノワさんは昨シーズンのジュリエットも素敵でしたし、先々が楽しみです♪ 3幕の群舞にはソリスト勢が沢山登場してそれは豪華でした!! 

エヴァン.マッキー君、来シーズンもカナダで踊ってくれるといいですね♪
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by noreservation | 2014-04-02 05:33 | ballet & opera | Comments(8)

シェリ CHERI アレッサンドラ.フェリとエルマン.コルネホの競演

更新が滞っていて済みません(汗)! 実は数日、ニューヨークへ出掛けておりまして、今朝、トロントへ帰って来たところです。 NYはバタバタとしておりましたが、何度か劇場通いをしてまして(笑)、これは印象に残りましたのでアップさせて下さい。 料理関係ないんですが.....(汗)。
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フェリの現役時代のジュリエットやマノンはそれはそれは素晴らしいものでしたが、引退して7−8年になるでしょうか? 最近、ゆっくりとカムバックしています。 この作品はフェリの為に作られた70分程の作品で、贅沢な競演者達とシンプルですが美しいライティングやセットと衣装で、小さいですが秀作に仕上がっていますので、NYの方でバレエがお好きでしたらぜひ!

原作はコレットの”シェリ”をさらりと忠実に、端的に仕上げていると思います。 ストーリーはごくフランス的で哀しい。 年上の捌けた女性リアと息子程年齢の違う恋人シェリの楽しい日々、シェリの結婚による別れ、リアの孤独、再会の悲劇、そして戦争から帰還したシェリの崩壊といくつかの場面がダンスシーンとピアノ、シェリの母訳の女優(狂言回し的な役所)を挟んで薦められていきます。

それぞれのシーンは絵画のようです。 リア役のアレッサンドラは本当に美しい!! 彼女が窓際に立っているだけでドラマなんです! 動作ひとつひとつが演技をしていて、本当にほれぼれと魅入ってしまいます。 

リアの若い恋人、シェリにABTのコルネホが出演。 どちらかといえば機敏なダンサーであり、ABTの演目の中ではドラマ系王子様よりダンサーの役回りを振られる人ですので、私もこんなにドラマティックな作品での彼を見るのは初めてでした。 彼にこのシェリという役所はぴったりで、ワガママかつ繊細な等身大の男の子の成長過程を非常に巧く表現していて、コルネホ君ご贔屓の方は必見(笑)! 彼の強みであるテクニカルなダンスは見られませんが、王子様よりこういう近代的な人間像にピッタリとハマっています。

振付的には特に目新しいところはないものの、ストーリーの進行とともに表情を変えて行くフェリとコルネホのダンスは秀逸、シーンの美しさもあいまって、何か美しい映画のシーンを見ている様、女優バレリーナ、フェリだからこそ出来る作品、という感じでしょうか。 そして50歳の今のフェリだからこそ、ふさわしい作品と言えるのではないかしら?

これはバレエを見る、というよりは舞台芸術を観る、という視点でご覧になるのが良いと思います。 ストーリーはごくフランス的で、万人に共感出来るというものではないのですが、女性の心の琴線には触れるのではないかしら? 大人の女性向きですが(笑)、フェリは”動く事で演じる”という事とはどういう事なのかを体現しています! これ、チケット代金は一律$25なんですよ!! 
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by noreservation | 2013-11-23 12:30 | ballet & opera | Comments(2)

ナショナルバレエ.オブ.カナダ ニジンスキー

昨今はお料理オンリーのこのブログ、バレエとオペラは観るだけでしたが(笑)、印象に残りましたので例外的に....お料理の皆様はスルーで(汗)!

トロントへ越して半年、カナダオペラは観ているものの、不覚にもカナダ国立バレエの今期半分を見逃したまま日が過ぎていました。 主婦の立場ですと夜出掛けるのは事前のプランも必要、そして慣れたABTやNYCB、Ballet Westと違って、カナダ国立はチケットのお値段の幅が両極端で、予算の工面もありまして....(汗)。

で、これだけは見逃すまい!と行ってきたニジンスキーです。
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私はノイマイヤーの作品というのは、ABTの椿姫、SFBの人魚姫と理屈抜きで好きなんですね(笑)。 文学青年なノイマイヤー氏の心象に踏み込んだ全幕バレエ、物語の進行、ステージ展開の巧さ、スタイリッシュな衣装と演出面で際立っています。 昨今の安易なオペラ演出を駆逐する質の高い劇場芸術を維持していますし、根底にある彼の演出家としての真剣さ、真摯さには打たれるものがある。 
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ストーリーはニジンスキーが精神を病み始めた初期のスイスから始まり、彼の人生がバレエリュスの作品とともに投影されながら過去、現在へと進行していきます。 ディアギレフ、家族、妻と錯綜した彼の人生が、巧みに洗練された夢のような形でダンスという形式で表現されているのが素晴らしい。 バレエリュスのエッセンスが個々にちりばめられているのが楽しいところでしょうか。 ノイマイヤー氏の作品の“難”な部分は振付のまったり感.....で、これは相変わらずなんですが.....(汗)。
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これは私が観たキャストでギョーム.コーテ、ヘザー.オグデン、ケイイチ.ヒラノ。 後から、ハンブルグのリアブコがゲストで出ていたと知って、見逃しで大ショック(涙)。
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コーテ君♪ 素晴らしい!!! 写真ではさらりと、特に目立つ印象ではないように思われたのですが、踊りが始まると彼の天性の王子様感が溢れ出て来る感じで、さすがはカナダ国立のプリンシパル♪ コーテさんは”いかにも”大技を見せたり、濃い演技をしたり、みたいなケレン味がなくごく自然体な感じですが、動き始めると眼の覚める様な高いジャンプ、音楽的で冴えたステップ、ごくさらりと心に染みる様な表情が出来ると言う凄い逸材(笑)。 シェラザードの音楽で無邪気な微笑みで踊るニジンスキーには涙が止まらない。
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今回初めて観たカナダ国立ですが、ニジンスキーの母役のシャオ.ナン.ユウさんの素晴らしい技術、女優バレリーナ、オグデンさんの愛らしいさ、ディアギレフ役のジリ.ヤリネックさんのエレガントなライン、難しい牧神役で魅せた日本人ダンサーの平野さんも大喝采を浴びていました。 イベさんの薔薇の精も可愛い♪ 

という訳で、次はロミジュリ(ラトマンスキーです!!)行かなくちゃ〜♪
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by noreservation | 2013-03-12 01:13 | ballet & opera | Comments(0)

Romeo and Juliet アメリカンバレエシアター

トロントの帰り、トランジットの関係もあって、一晩だけニューヨークにおりました。 とはいえ夕方ホテルにチェイクイン、翌朝にはまた空港へ、という半日滞在(涙)、悩んだ末、食事は諦めてABTのロミジュリへ!!
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この日はラッキーなキャスティングでした!! オシポーヴァのジュリエット、ホールバーグのロミオ、コルネホのマーキュシオ、シムキンのベンヴォーリオ、ハムンディのパリス、ロード.キャピュレッとにはヴィクター.バービーという最強のキャスティング(笑)。 緊張感漂う劇場内!!!
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ABTのロミジュリはマクミラン版ですが、この日、ちょっと感動的だったのは一幕のバルコーニーのシーン。 ナタリー&デイビットのペアは素晴らしくて、緞帳が降りても拍手がなりやまず、一幕終了後にカーテンコールという異例の事態。 あんな素晴らしいバルコニーシーンはフェリ以来かなあ、涙が出て来る美しさ。
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イキイキとした躍動感、エアの安定感、ポワント使いも美しい!! 今回、表現力みたいなものの深さも垣間見えて、毎シーズン、観に行くのが楽しみな素晴らしいバレリーナですね♪
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麗しさの極めつけのようなデイビット.ホールバーグ君(笑)。 ボリショイ初のアメリカンプリンシパルに相応しい、クラシック感とある種、現代的なスピード感にも恵まれた、モンクのつけどころのない王子様ですね(笑)♪
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エルマンコルネホ君♪ 私はこの人、大好きなんです(笑)♪ ABTの夏のシーズンはどうしても全幕ストーリーバレエが多くて、地味になりますが、スカッとした躍動感、切れのある動き、音楽性、ABTで一番ダンサーらしいダンサーと思うんですね。

ひとつ観てしまうと欲が出て、ロビー&ジュリーも観たかった.....とか、火の鳥も真夏の夜の夢も観たかった、とキリが無いんですが(汗)、こんな豪華キャストのロミジュリは滅多に観られないので、納得した夜でした(笑)。 
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by noreservation | 2012-06-25 07:36 | ballet & opera | Comments(0)

Breaking Pointe -CWTV Documentary

お知らせです♪ 私の現在の地元、バレエウエストで撮影されたドキュメンタリー番組、Breaking Pointeが明日、CWTVでオンエアになりますので、在米の方でバレエに興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧下さい。 BBCのドキュメンタリークリューが2月から3ヶ月をかけてバレエウエストに密着して番組化したものです。 
http://www.cwtv.com/shows/breaking-pointe/

バレエウエストには日本人バレリーナの大瀧さやかさんも、デミソリストとして活躍中で今シーズンは『ドンキホーテ』で初主役の快挙!! 

Facebookではミーシャ.バリシニコフも番組にTag♪ とても楽しみです!! BBC番組ですので、もしかしたら、そちら経由で観られる可能性もあると思うのですが、アメリカではCWで!
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by noreservation | 2012-05-31 13:50 | ballet & opera | Comments(0)

La Traviata at Metropolitan Opera

このカテゴリーを使ったの本当に久し振り(笑)。 料理ブログに節操の無いネタですが、今回、インパクトの強い公演でしたのでお許しください(笑)。
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椿姫、La Traviataです。 主演はNatalie Dessay。 2009年頃でしたか、私はガラコンサートで彼女のヴィオレッタを聴いて以来、デッセイの全幕のヴィオレッタを夢見ていた訳ですが........可憐な声、繊細で確かなライン、加えて演技派で小柄な彼女は、日本人的には自分を投影し易いヴィオレッタなんですね(笑)。

演出はWilly Deckerのもので、ザルツブルグ公演のDVDが有名ですが、私は去年これをMETで観ていて、とても気に入っていましたので、とても楽しみにしていました。 ステージは無彩色の半円形の壁のみ、巨大な時計が設置されていて、ヴォイレッタの残りの生命を象徴しています。 パーティーシーンのコーラスも男女別なく全て黒のスーツ姿。 生命を感じさせる赤が効かせ色としてヴォイレッタのドレスと靴に配置されていて、通称、RED-High-Heel-Traviata(笑)。 3幕になると効かせ色が黒に変わりヴィオレッタの死期を感じさせる、視覚的にもスタイリッシュなものです。
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デッセイのヴィオレッタは、実は私が想像していたヴィオレッタ像(原作の”椿姫”のマルグリットのような)とはかなり異なったものでした。 アルフレッドへの愛情と献身.......よりもむしろ彼女の”運命との戦い”に重きが置かれているというのかなあ。 デッセイは小柄で可憐に見える歌手ですが、ジャンヌ.ダルクを思わせるような戦士を感じるんですね。 デッセイはインタヴューなどでも“コメディーの方が好き”と言う元気な人ですし、彼女の個性なのか、それとも演出家の意志なのか、ヴィオレッタというどちらかといえばプッチーニ的な女性像をベルディが作曲(べルディ作品の女性はちょっと変なキャラが多い)した故なのか、その辺はよく解らないのですが。 巨大なメトロポリタン歌劇場、ベルディ作品、今のデッセイの状態など、1幕などは非常に不健康に聴こえる歌唱もあったものの、彼女の迫真のヴォイレッタは胸に迫るものがありました。 私が想い描いていたものではなかったけれど、やはり出色のトラヴィアータです。

アルフレッドはMathew Polenzani。 普段はモーツアルトやロッシーニが得意な人だと思います。アルフレッドは、今回の演出上一番キツい役だと思うのですが、素直な青年を大好演していて、彼の父親との対決シーンは胸に迫るものがありました。 伸びやかな声と表現力の豊かさで、一番泣かせてくれたのは彼でした(笑)。 去年よりちょっと髪が白っぽくなったポレンザーニ君ですが(汗)、格好良いおとーさんとちゃんと親子に見えるのが凄い(笑)♪

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父親役は今回唯一のヴェルディ.シンガーのDmitri Hvorostovsky。 彼は今期絶好調ですね、核のしっかりした歌唱はもちろんですが、彼の非常に厳しい硬質な父親像の表現はこの現代演出に映画のようなリアリティーを与えていました。 姿麗しいスター歌手ですが、デュエットシーンでは一瞬声の消えたデッセイに素早く対応して自分の音量を合わせるなど、チームワークにも長けたベテラン。

演出、キャスティング、声のサイズなど、賛否両論とは思いますが、やはりこういうのは早々観られるパフォーマンスでは無いと思います。 日本では5月にHDでしょうか? お楽しみに♪

PS:  追記ですが、デッセイは不調なのか基本この役は無理なのか、初日もキャンセル、そのカパーに入ったヘイキョン.ホンが今日も2幕目からキャンセルのデッセイの代わりに登場だったそうです。 ホンさんは旧ゼフィレリ演出では慣れた役だと思いますが、この難しい演出で飛び入りカパー、格好良い。
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by noreservation | 2012-04-22 05:52 | ballet & opera | Comments(2)

Metropolitan Opera HD Siegfried

かなり久々の劇場ネタです(笑)。 地元ではあれこれ観てはいたのですが、どうも書く機会を逃してばかりで。 ニューヨーク在の頃は当たり前のように通ったメトロポリタン歌劇場、こんなユタへ越してもHDでライブが観られるという良い時代になりました。 劇場と音は違いますが、観れるだけでも!!

さて、2011−2012シーズンは"Anna Bolena"で開幕でした。 主役はネトレブコ、たっぷりした声に加えて“ステージアニマル”の異名を取る彼女、大迫力のパフォーマンスです。 役柄にも良く合っていました。 これはバレエのヴィシュネヴァにも思う事ですが、彼女は溢れるような強い生命力を感じさせるため、儚気なお姫様より女王様が合うんですね。 東京にも行っていたアブドラザコフ、グヴァノーヴァのチームロシアが大活躍、少々圧され気味には見えましたがコッステロ君の麗しい声も聴けて豪華な歌手陣。 衣装、演出もウイーンのより私は良いと思いました。 マックヴィッカー氏の演出は私は余り好みでは無いんですが、チューダー物というのはスコットランド人の彼には胸にストンと来るのか、スタイリッシュで良いセンスです。
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今年からは英国ロイヤルオペラのHDも始まっています。 ユタでは平日の朝10時始まりで、観客は10人(汗)。 この少なさでは行き先が心配ですが、それでもロンドンの上演がユタでライブで観れるって凄い(笑)。
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演目はファウスト。 一応豪華キャスティングの触れ込みで実際そうなのですが、何か全体の調和のようなものが欠けていて、作品としてはビミョーでした。 低音歌手勢は歌唱も素晴らしく、かなり格好良かったけれど(笑)。
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で、今日はワーグナー“ニーベルンゲンの指輪”第三話、”Siegfried”。 ルパージュ氏による新演出リングの三作目で今シーズン話題の作品ですが.....主役の歌手が企画当時のヘップナーが降板、リーマンに変更、そのリーマンが何と初日の2週間前に降板。 急遽、アンダースタディ(日本語だと控えかなあ?)のジェイ.ハンター.モリスが登板する事に!? METのゲルプ支配人というのは急な歌手のキャンセルがあると、初日など無理しても有名歌手を引っ張ってくるタイプの人ですが、今回は”控え歌手”の繰り上げで、写真の歌手がそのモリス!
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この役柄にはやや軽めの声だと思うのですが、モリスはワーグナーのリズム感があって、ルイジの指揮と良く調和し、歌唱と演技、表情が繊細でごく自然。 姿も青い眼も美しく端正です。 ”控え歌手”の彗星のようなデビュー!という贔屓目もありますが、この人の頑張りが観客の♡に響いた!という印象でした。 終演後も高揚感というか充実感が残って、忘れ難い公演。 5時間半の長い長〜い演目ですが、興味のある方はぜひ!
 
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by noreservation | 2011-11-06 16:12 | ballet & opera | Comments(2)

アメリカンバレエシアター “明るい小川”

現在、ABTではボリショイ兼任のラトマンスキー氏が芸術監督として大活躍中ですが、“明るい小川”は彼がボリショイの為に振り付けた作品、ABTでアメリカ初公演です。 2幕もののコメディーで、ストーリーはたわいのないものですが、ラトマンスキー氏の音楽的でクリーンな振付けが楽しめる秀作です。

今日はうわさのボリショイのワシリーエフ君のABTデビューでしたが........凄い(笑)!!! 少々荒っぽく(これは役柄上のせいかも知れない)男性的な踊りですが、キレが素晴らしいですし、そして信じられないようなジャンプ、ターンは観ていて胸をすく感じ、非常にエキサイティングです(笑)。 オシポーヴァもコメディーの役所にピッタリで素晴らしい!! 彼女はステージスティーラーですね♪ 動きが美しく、柔軟、しかも力のある踊りでとても気分が良いです!!
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シオマラ.レイエスちゃんが少々地味ですが、手堅い技術で可愛く、シムキン君はポワント技まで屈指。 でも、まだリフトが苦手っぽかったです(笑)。 

作品は重かった”椿姫”の後には調度良い演目ですが........やはりコメディーという事もありますし、いわゆる拍手大喝采がわき起こるような超絶技が無いと盛り上がり難いかも。 そんな事出来る人、多いんでしょうか.....とちょっと心配。 ボリショイならばともかく。

で、今回、隣りのNYCBの3本立てプログラムも観て来たのですが、この人は注目!! 現在の地元、バレエウエストアカデミーの出身ですが(笑)、パの繋ぎの美しさ、肩の柔らかさは素晴らしい。 ロバート.フェアチャイルド君です。
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by noreservation | 2011-06-12 11:01 | ballet & opera | Comments(4)